ベルリンにはベルリン・フィルハーモニーやコンツェルトハウス・ベルリンなどのコンサートホールがあり、多くのクラシック音楽のコンサートが開催されています。また2020年はベートーヴェンの生誕250周年の年となるため、ベートーヴェンの楽曲を演奏するコンサートが予定されていました。ですが、残念なことにコロナウイルスの流行のため、予定されていた多くのコンサートはキャンセルされることになりました。こうした状況の中、2020年の6月にコンツェルトハウス ベルリンで屋外コンサートが開催されました。今回はその様子を紹介したいと思います。
コンツェルトハウス ベルリンは、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団が本拠地として使用しているコンサートハウス。ベルリン中心部に位置しており、建物の前にはクリスマスマーケットが開かれることで有名なジャンダルメンマルクトと呼ばれる広場が広がっています。建物は19世期初頭に新古典建築の巨匠であるカール・フリードリッヒ・シンケルよって建てられたもの。それはモダンな建物が建ち並ぶベルリンにクラシックな雰囲気を与えており、クラシックコンサートにはぴったりの場所となっています。
ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団が設立されたのはドイツが東西に分かれていた1952年のこと。当時の東側で「ベルリン交響楽団」という名前で設立されました。2006年には現在の名称に変更しており、今に至っています。また日本人ヴァイオリニストの方がコンサートマスターを務められていることでも日本で知られているかもしれません。
このようなコンツェルトハウス ベルリンですが、2019年/2020年のシーズンの最後に、コロナウイルス対策を取り、対人距離を保つ形で屋外コンサートが開催されることになりました。開催されるのは週末の二日間のみ。演奏されるのは、生誕250周年の記念にドイツ各地で演奏されたはずのベートーヴェンの交響曲第5番です。チケットは無料であること、そして久しぶりのクラシックコンサートであるため、あっという間に席は埋まってしまったようです。
私がコンサートを訪れたのは最終日となる日曜日。前日は雨模様でしたが、日曜日は心地良い日差しの中でのコンサートとなりました。会場となるジャンダルメンマルクトの広場には、対人距離を保つために距離をあけて白い円が描かれており、そこがシートとなります。屋外でのコンサートはベルリンでは決して珍しいものではなく、夏には幾つか開催されます。ただしオーケストラの前では足の踏み場もないほど人が集まり、身動きが取れないほどになってしまいます。今回の場合はそれとは大違いで、身動きが取れ、最後列からでもオーケストラの様子が見えるほどでした。
ベートーヴェンの交響曲第5番の演奏は素晴らしく、屋外での演奏とは思えないものでした。ベートーヴェンの曲は力強く演奏され、普段は騒がしい広場にはオーケストラの演奏が響き渡ります。チケットを取れなかった人も会場外に並び、オーケストラの演奏に耳を傾けています。誰もが待ちわびたクラシック音楽のコンサートは、素晴らしい天気のもとで多くの人が楽しめるものとなりました。個人的にはコロナウイルス の影響で制約のある暮らしに疲れていましたが、素晴らしい演奏に力を分けてもらったような気分になりました。次回訪れる際には、ぜひコンツェルトハウスの中で素晴らしいクラシック音楽を楽しみたいと思います。
コンツェルトハウス ベルリン / Konzerthaus Berlin
アドレス:Gendarmenmarkt, 10117 Berlin
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